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共感「青春なんてなかった。」川谷絵音の30我慢【FMラジオ】

ラジオを聴いてました,戌吉です。

 

今回はすごく共感しました。

これが僕が川谷さんのファンである理由だと思った放送でした。

 

 

番組

川谷絵音のおよそ30分我慢してくれませんか」というラジオ番組が、全国FM系で放送されています。先週の放送で第25回でした。

なるべく毎週聞くようにしてますが,たまに聞き忘れてしまうこともあります。

 

radiko(ラジコ)というアプリが,一週間以前まで放送されたラジオを録音で聞くことができるので愛用させてもらっています。ただ,タイムフリーで過去の録音が聴ける局数は少なく,地域によっても異なります。僕の住んている地域はFM系が指定されているのでラッキーなのですが,radikoにFM系のない地域は1回の放送を聞き逃さずにするしかありません。

 

 

今週は「小泉散歩」

放送作家の小泉さんという方とのトークで進められる形ですが,この「小泉散歩」は小泉さんが街中へ繰り出して,イケてる若者が最近何を聴いているかをインタビューしそれに対して川谷さんがコメントしていくという企画です。

 

 そして今回のテーマが「春の歌」。

 春の歌と言えば?と聞かれて一人目にインタビューを受けた男性が答えたのはGOING STEADYの「青春時代」。

 

あんまり懐メロは知らない方なのでパッと分かりませんでしたが,

Youtubeで聞き直したら,ああ~この曲かとなりました。

 

その男性の言う所では,「初戦で負けた野球部の・・・」というところが青春を思い出して元気が出るというような,そんな話だったと思います。(うろ覚えですいません)

 

それに対するコメントでは,川谷さんもこの曲を聴くという。聴くんだけど,野球部の初戦で負けた・・・というところから青春は感じないと。そもそも川谷さんには青春なんかなかったという。

 

おおー・・・これが僕が川谷さんに惹かれる理由であり,魅力の一部分なんだよなあ・・・と思いました。

 

川谷さんはツイッターで高校時代の冴えない写真などをあげていますが,たしかに地味なオーラと青春してない雰囲気を感じました。そして,友達もほとんどいなかったそうです。

 

 

なかったわけではないのだけれど

共感する。んですけれど,僕は少し棚上げ状態というか,友達が一人もいなかったわけではないし,部活は楽しくやっていました。

 

ではなにが共感するのかというと,全てがうまくいってるような,いわゆる全盛期というか,モテ期というような何にも恐れずに青春を謳歌しているような時代がなかったという意味で共感してます。

 

サザンオールスターズの「雨上がりにもう一度キスをして」のいうところでは,

本当に何も怖くなかった

あの頃は風まかせ

というような時代が僕には思い出すところがありません。

 

これは川谷さんの音楽に出会う前から,薄々思っていたところでありました。そんな魂を,美しい音楽に乗せて歌う川谷さんをテレビで見て,引っ掛かる部分を感じたのがファンになるきっかけでした。

 

「あの頃は青春してたなあ・・」と懐かしく思い出せる記憶がない。楽しかったんだけと,100%ブレーキを外したような,そんな時代が僕の場合にはなかったように思います。

 

 

また放送の中では「過去に縛られて止まっていつやつがいる」と。地元の知り合いのツイッターの画像がいつまで経っても高校時代の部活の写真だそうで,見てると悲しくなってくると。

 

それはオーバーな例かもしれませんが,過去の栄光に縛られるというのはわかる部分もあります。その人には,あまりに良かった青春時代があったということなんでしょう。

indigo la end に「プレイバック」という曲があり

プレイバック

美しい言葉に聞こえる

プレイバック

進むから美しいはずなのに

もう一度だけプレイバック

 という歌詞から考えると,過去は思い出してしまうものだという認識は川谷さんの中にもあるように思いますが,「青春の栄光に縛られる」というのは違うんでしょうかね。(余談でした)

 

川谷さんの思想が聞けた放送回でした。

 

 

多少の諦めと切なさと

青春にもいろいろあるとは思います。何も考えずにやりたい放題という青春もあれば,甘酸っぱいような青春もあると。

 

ただ人生の全盛期だったといえるような,そんな山場といえる時代は平等にあるんでしょうか?

全盛期かどうかは過ぎてしまったあとの振り返りなので,言葉の意味通り機械的に見つけようと思えば,僕にも見つかると思います。ただ,思い出として自分がしみじみそう思えるような時代があるのかどうか。

 

ある人は,あるんだと思います。現にそういう歌は山のように世に生み出されていますし,それが多くの人々から共感を受けています。

ただ,みんながみんなそうでもないように思います。少なくとも僕の場合はまだそれを感じません。もしかしたらこれからあるのかもしれない。ないのかもしれない。

 

ないならないで,少し寂しいような気もしますが,それも一つの道だとも思います。

あっては欲しいけど,贅沢すぎる願いかなと。それにすべて縛られても固いかなと。

(さとり世代。なのか?)

 

とにかく川谷さんの音楽はすばらしいと思います。

申し訳なく,なんだかちょっと切ない感じになった回でした。