髪は毎日洗うべきか，髭は毎日剃るべきか
こんにちは，戌吉です。
ここ数日で読者登録率が増えて，なんともありがとうございます。
あと今日は日経平均大きく下がりましたね。
今回は毎日髪を洗うことについて。
清潔だという価値観
風呂は毎日入る，髪は毎日洗う。
これは大方，現代の常識で「昨日風呂入ってない」と公言してしまうと，その時点で多くの場合，「うわ汚いな・・・」という印象を持たれてしまいます。
かく言うわたくしも毎日風呂には入ってしまうのですが，僕の尊敬する作家の五木寛之さんは，髪を洗うのは１年に２回だそうです。
それでも現在８０歳半ばにして，髪はふさふさなのです。
昔にはシャンプーがなかった時代がいつまでかあって，今の人間からすればそれらの時代は「不潔」となりますが，昔の人たちにとっては，水で体を洗い流すだけでも「清潔」だったかもしれません。
毎日体の油をキレイさっぱり落とし切ってそれで清潔。果たしてこれが絶対に正しいでしょうか？？
髪を洗う
年に２回しか髪を洗わないらしい五木寛之さんはよく書籍の中で，清潔にしすぎることへの疑問を書かれています。
具体的な例も持ち出しているのですが，僕の記憶の中では
歯を全然磨かない老人が，一本の虫歯もなくてびっくりした歯科医の話
や
ウナギの表面のヌルヌルを界面活性剤のようなものでキレイに落としきったらウナギが死んでしまったという知人の話
というのが印象に残っています。
このエピソードには色々と考えさせられます。僕の時代は生まれた時から，家でも教育現場でも「歯は毎日磨くべきだ」「風呂に入らないのは汚い」と言われて育ちましたし，清潔にすることが人類の繁栄に寄与した部分も大きいと思います。しかし，本来キレイにしてはいけないものもあるのではないかと，これらのエピソードは気付かせてくれます。
そんなこと気にしつつ生活していると，僕は先日実感として歯のキレイにしすぎは歯を食いしばりにくくなると感じました↓
繊細にならないと気付かないことかもしれませんが，繊細なことの積み重ねで大きな変化が起きるような気もします。歯を食いしばる力は生きる上で大事だと思います。
また，フランス人はだいたい３日に１回くらいしか髪を洗わないといいます。
（妙に説得力がでてきますよね。フランス人が言っているのなら・・！みたいな。）
皮脂はよくないものという認識が定着していますが，適度な油は皮膚の外敵となるものから守ってくれそうな気がします。
僕は科学は１００％を理解することはできないと思っている立場ですが，ウナギの話は科学と同等かそれ以上に清潔さについて教えてくれるものがあるように思います。
髭を剃る
ところ変わって髭の話。
よく見てみたら「髪」と「髭」って字似てますね。下が違うだけだ.。
髭は毎日剃る。社会人としてのマナーです。
「髭剃るのめんどくさー・・・」
髭は成長しようとしているのに，毎日毎日国民の義務であるかのように髭を剃る日本の男たち。髭が可哀そうですね。
髭（ひげ）を手入れしている人は，良い印象を持たれそうですが，ヒゲの立場からすると，成長したいのに毎日刈り取られるという息の詰まりそうな状況です。
髪（かみ）の問題を考えていると，自然にこういうことを考えてしまいます。本来ヒゲって生やさなくていいものなの？？実はあった方がいいんじゃない？？
別に複数の被検体を使った人体実験をするわけでもなく，結論として「これがいい！」なんて結果は出せません。
ただ実際問題，毛むくじゃらで会社に出ることはできませんから，結論は「剃る」という事実なのですが，心持ちは自由です。こういう問題を考えるようになってから，めんどくせーという気持ちでヒゲを剃るのはあまりにも可哀そうで，「人間社会に出るには剃らないといけないんだよ。すまんね，ヒゲ。」という腰の低い立場で髭を剃るようになりました。
これがいいのかどうかはわかりませんが，少し大切な何かを見落としている気分ではなくなったように思います。
じゃあどうしようか
ヒゲについては剃るしかないけど，社会のために申し訳なく物腰低い姿勢で剃るというところに落ち着きましたが，髪はどうしようか・・・
結局は自分の感覚を大事にするというところになりそうです。これだけやっておけばいいという便利なものは発想ではありませんが，今日は髪が汚いと思ったら洗う。今日はあんまり汗もかいてないし，水で流すくらいにしとくか・・・
と，とりあえずはその日ごとの状況に合わせて手入れをするようにしました。
まあ「風呂に入った」という情報で「清潔」だと思うよりは，精神的には健全であるように感じる気もします。
義務的に毎日反復することは楽ですが，あまりよくないことのように思います。
自分の体と対話する。
これも私淑する五木さんから教わった心がけです。
そして髭（ひげ）を生やしている人への，多少野蛮だという見方が変わった今日この頃です。
