味と香り
今,コーヒーを飲んでいます。
寒い部屋の中で温かいコーヒーを。
数カ月前,「トートコーヒー」という喫茶店で「すごく甘い」コーヒーと説明されるものを飲みました。
コーヒーには酸味,甘み,苦みを星の数などでランク付けしたものをよく見かけます。
が,正直あんまりわかりませんでした。酸味と苦みについては,極端なものにはすっぱーとかにがーとか思うことはありましたが,
甘み・・・?
って感じだったのですが,そのすごく甘いコーヒーを飲んで,
「甘いというのはこういうことだったのか!」と納得しました。
現代生活では多量に摂取される砂糖の甘みが強すぎて,それに食べなれていることで味覚がマヒしているのかわかりませんが,
それはなんというか,お米が甘いとかそういう感覚でした。
そしてそこから考えてしまう。
香りと味ってなんだろう・・・
という問いにぐるぐる入り込んでいきました。
これまでの味は味覚+臭覚だった
考えた結果,
最近まで僕は,味と香りという2つのものを混同していたように思います。
香り+味,を味だと解釈していました。
鼻で吸ったり吐いたりしているときに知覚できる感覚が香り(臭い),
鼻をつまんでいても舌で知覚できる感覚が味,
ですよね。
当たり前のことなのですが,前者は大体の人は普段から使っている感覚ですが,
後者はなかなか日常ですることがない動作です。
そしてものを食べるときには,咀嚼しながらも(鼻で)呼吸をするから
両方の感覚が同時に入ってくる。
ここで味=味覚+臭覚の誤解が生まれてくる。ような気がします。
こんな難しいこと考える意味ある?
そんなこと考えなくてもおいしいものは美味しいよ
と,以前の僕は思っていました。
しかし,高価なものを食べても驚くような感動をすることがありませんでした。
(高価といっても1000円のランチとかですが・・・)
味に対する解釈を変えたことで,食における感動とか緊張感が増したような気がします。
野生の動物は,味覚によって食べれるかどうかを判断する(気がする) 。
知らない森に迷い込んで究極に腹が減ったなら,僕もそういう選択をとると想像する。
そしてここには鼻呼吸と口呼吸の問題がからんできそうな予感がしますが,
それについて考える縁があればまた書きたいですね。
(ちなみに僕は鼻呼吸に賛成派です)
言葉というのは,実在するものごとを,人間が勝手に代替する記号で名付けたものです。
ヒトの体に,味覚と臭覚の別々の感覚器官が備わっていることの意味を
まあいろいろと考えさせられるような発見だったと思います。
ただ考えるということにも,悪魔がいる,いつも感動するっていうわけでもない。
コーヒーなんか飲むときは,気楽に飲みたいものですね。
ああすっかり冷めてしまった。