年老いたら必ずしも円熟するとは限らない
今、電車の中にいます。
おそらく70は過ぎているだろうばあさんが、窓側の席に荷物を置いて座っています。
電車の中には、立っている人間がいるにも関わらず。
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歳をとったら丸くなる、という俗説に対して、私淑する五木寛之さんは必ずしもそうとは限らない、と書いていたと記憶しています。これには深く共感する部分がありました。
とはいえ、もちろん丸くなる部分もあると思います。昔は厳しい人だったけど、随分と丸くなった、とか。
しかしそれは、体力や思考力の低下というか、要するに活動・制御する力の「衰え」からきた部分が大きいのではないかと思います。
年老うごとに、人間的に円熟するというのは、確かにあると思います。しかしそれはあくまでキレイな側面であって、そうでない部分も、必ず出てくるんじゃないかと思います。
今、その老人は電車から降りましたが、まあ、もともとそういう性分だったのかもしれません。
人の性格は、そう簡単には変わらないと、言いますしね。
性分か、衰えか。
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こんなことを老人に対して考えてしまう、自分自信が丸くないという可能性は、ひとまず置いておくことにしましょう。