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【ジェニーハイ】新曲「ランデブーに逃避行」はかなりのお遊び曲?【解釈と感想】

10月4日にジェニーハイの新曲「ランデブーに逃避行」のライブ映像がYouTubeにて公開されました。

 

ジェニーハイは、BSスカパーの番組「BAZOOKA!!!」の知名度をあげるべく結成されたバンドだそうです。

メンバーは5人からなり、吉本新喜劇座長の小籔千豊さん、野性爆弾のくっきーさん、ゲスの極み乙女。の川谷絵音さん、ピアノ演奏家で作曲家の新垣隆さん、tricotの中嶋イッキュウさんです。

異色の中の異色ですよね。

 

デビュー曲は「片目で異常に恋してる」。YouTubeでは2018年10月6日現在では800万回以上再生されています。

 

そして今回の「ランデブーに逃避行」は、10月17日発売の1stミニアルバム「ジェニーハイ」の収録曲ともなっています。

 

 

曲を聴いた感想は、かなり遊んでる曲だなあという印象でした。

作詞作曲を手掛ける川谷さんはツイッターでこの曲を「ふざけエモというジャンル」と言っています。

 

歌詞は確かに遊んだところが多いと思いました。

 

「らんらんランデブー」

「りーりーリアリティー」

「メタでぶー」

「逃避行なんだわい」

等々。

 

ゲスやindigoではなかなか見ることのできない歌詞です。

メタでぶーって何?と思いますが、メタボリックの「メタ」と、太るという意味での「でぶー」の造語ですかね。

なんにせよ、ランデブーと掛けられてて上手いんですが。

 

 

しかし、「ただのおふざけ」ではないのが川谷さんのすごいところ。ふつうに、聴いていい曲なんですよね。心を揺すぶる力がある。

 

一番印象に残ったのは、サビの「りーりーリアリティー」のところで、最後が音が上がらないところ。

ふつうは、そこの音は上げようとしますよね。そこが川谷さんの作る曲らしさであるんですが、盛り上げようとしない。

 

えっ?ってなって印象に残るんですよね。「明日からだーだーダイエット」のところでも、ここで「だーだー」という響きを持ってこようとするでしょうか?

 

えっ?ってなって引っ掛かる。最初は違和感なんですが、何回か聴いているとだんだん心地よくなってくる。

 

あとは、イッキュウさんの声のよさが引き出された曲になっているかなと思いました。この点に関しては、「片目で異常に恋してる」よりも。

 

 

そして「ふざけエモ」の「エモ」の部分は、まあ、最近の言葉「エモい」のエモなんだと思いますが、

 

「ジョブズみたいにならなきゃ」

「歴史に残らなくちゃなのに」

「何かしたいのにしたくない」

 

などの歌詞に色濃くでているかと。

 

ここらへんは、現代人の悩みを強く捉えたところだな、といつもながら感服しました。

「エモい」の言葉の定義自体、ハッキリしたものはないんですが、なんとなくわかる気がします。自分は特別なんだ、と、実際の現実と。

 

あとは、何回か歌詞に出てくる「宇宙服」という言葉。ここがすごい。

Aメロの宇宙服と、サビの宇宙服は、違う意味を持っているように聞こえます。前者は、「やりたいこと」の宇宙服で、後者は「逃避行のため」の宇宙服。

 

対局にあるほど違う意味だけど、同じ言葉をもってくることの上手さに脱帽です。エモをより増長させてきます。

 

そんな感じで歌詞にも色んな工夫が凝らされている楽曲となっていると思いました。

 

 

この曲を聴いて、ジェニーハイのミニアルバムを買おうと思う人は少なからずいるんじゃないでしょうか?

僕はそのひとりです。

 

「片目で異常に恋してる」が一発屋じゃないということがこの曲で分かり、ジェニーハイってふつうにいいバンドじゃね?と川谷さんの思うツボにハマっていってる次第でございます。

 

異常、脈絡もなく個人的な解釈と感想でした。

みなさんもぜひ、一度「ランデブーに逃避行」聞いてみてください。