コーヒー豆手網焙煎って手軽にできる?室内でも可能?珈琲豆手網焙煎の方法
タイトル付けって難しいですね。
戌吉です。
ありがたいことに読者の方から「手網焙煎は煙やにおいはどうなのか」という趣旨のコメントを頂いたので、今回記事にさせていただこうと思います。
長々と書き連ねていますが、手網焙煎は使用する器具・環境など人それぞれ異なるので最終的にはやってみてなところが強いですが、方法については要所要所参考にしていただければ幸いに思います。
準備するもの
必要なもの
・手網
・ガスコンロ(またはカセットコンロ、IH不可)
・手袋(軍手)
・うちわ(またはドライヤー)
あったらよいもの
・タイマー
・アルミホイル
上から順に追っていこうと思います。
手網
まず手網について。手網は、コーヒー商品を取り扱ってるお店でたまに売っていますが、通販のほうが便利ですね。こんな感じの商品や
こんな感じの商品もいいと思います。
私が今使用しているのは後者の商品に近い作りになっています。
一番もったいないのは、シャカシャカ焙煎してるときに蓋が開いて豆が散乱してしまうことですから、しっかり固定できる商品を選んだ方が良いです。
前者のジェットコーヒーの手網は、手で押さえるだけなのでしょうかね?レビューを見てると「合わせが悪い」という意見が多いようです。そうだとすると新越金網の製品のほうがよいかもしれません。
また個人的にはこの商品が少し気になっています。
手網で焙煎する場合、私は毎回アルミホイルで覆っているのですが(後述)、その手間が省けそうです。構造も、豆が転がりやすくなっているみたいで煎りムラができにくそうです。レビューもそれなりに高いです。
細かな調節はしにくいかもしれませんが、手網よりは簡単にそれなりの焙煎ができそうだと想像しています。
ガスコンロ(カセットコンロ)
ガスコンロについてはキッチンについていればそれで良いですが、キッチン周りの汚れが気になるならば(こちらも後述)カセットコンロのほうが良いかもしれません。
カセットコンロは安いもので2000円ほどで手に入ります。ボンベはメーカーによりますが、3本で300~500円程度です。
手袋
手袋については、ふつうの軍手で構いません。まあ必要とはいえ、軍手をしていないと熱くてどうしようもないということはありませんが、安全のためにしておいた方がいいと思います。
手網の炙られている金属部分は非常に熱いので、ちょっと中を開けて豆の状態を確認したいときに便利です。
うちわ(ドライヤー)
うちわまたはドヤイヤーも必須です。
焙煎後すぐに常温程度になるまでなるべく早く冷却します。ぞうしておかないと、目的の焙煎度付近で豆を火から上げても、飲むころにはそれより深い焙煎度になってしまうためです。
私はうちわ派ですが、楽な方がよければドライヤーがいいです。しかし、私もドライヤーで冷却したことがありますが、むやみに風を送っていると風圧が強すぎて豆が散乱してしまうんですね。そこさえうまくなればドライヤーでも問題ないかと思います。
タイマー
つづいてあった方がよいものとしてタイマー。これはスマホのタイマーで充分です。焙煎時間は、安定した焙煎を行うための一つの目安となります。毎回、焙煎時間、1ハゼ・2ハゼの開始時間くらい記録しておくと、ふり返りやすいです。
アルミホイル
あとはアルミホイル。調理に使うような、よくあるアルミホイルです。私は上の新越金網のような製品に、アルミホイルを覆って焙煎しています。これは焙煎中に香りを逃がさないためで、これをするかどうかでできあがりの焙煎豆の質がけっこう違ってきます。
ただし、最初のうちは豆の色を確認しながら焙煎したほうが上達しやすいと思うので、慣れるまでアルミなし、安定してきたらアルミをつけてやってみる、という感じでいいと思います。
環境・手順
環境
〇ガスコンロの場合
換気扇を開けて、窓も風が強く入ってこない程度に開けましょう。風の当たらないところにキッチンがあれば全開でも問題ないですが。
1つ問題なのはチャフという、焙煎している時に飛散する皮のようなものが舞うんですが、それがけっこう出ます。キッチンを汚したくない人はカセットコンロにしましょう。
〇カセットコンロの場合
カセットコンロを置く場所です。 屋外で行いたいところですが、風でコンロの火が煽られると、焙煎がほんとに安定しません。
ですから、風の当たらない納屋などの環境があればベストですが、なかなかそんな環境がない人も多いと思います。
そんなわけで私はキッチンの換気扇の近くにカセットコンロを置いて、適度に窓を開けて焙煎しています。それなりに換気できる条件が整っているというのが最低条件かと思います。
そんなカセットコンロですがデメリットばかりではありません。ガスコンロに比べてメリットなのは、下にシートやマット(燃えにくい素材のもの)を敷いて焙煎すると、チャフがその上に落ちるので、比較的掃除が簡単だということです。
カセットコンロに付着したチャフもベランダでうちわで扇げば大体吹き飛ぶという、掃除がしやすいという長所があります。
手順
ザックリした手順は以下の通りです。
・焙煎する生豆の量を計り、虫食い豆や欠けた豆、変色した豆を取り除く
・手網をアルミホイルで覆う
・生豆を手網に入れ、火にかけて焙煎する(※)
・目的の焙煎度になったら火から上げてザルに移す
・うちわまたはドライヤーで冷却する
この焙煎の工程は、本当に使用する器具や環境によって変わってくると思います。焙煎に関する書籍やサイトを見ていても、大まかな過程は同じですが、結構違いがあります。焙煎時間や火先から手網までの距離など結構異なります。
あくまでほんの参考程度に、今私がある程度安定してきた焙煎方法について示しておきたいと思います。
〇50g焙煎の場合
・0~3分 火先~手網20cm
・3~5分 火先~手網10cm
・5分以降 火先~手網5cm
・2ハゼ開始から火先から手網を少し遠ざける
〇焙煎度のめやす(完全な戌吉の独自基準です)
1ハゼ(バチバチ)後 1分30秒 ハイロースト (中浅煎り)
2ハゼ(チリチリ)後 15秒 シティロースト (中煎り)
〃 30秒 フルシティロースト (中深煎り)
(この3段階くらいが一般的に飲みやすい焙煎度だと思います)
煙・匂い・その他注意事項について
煙・匂い
煙や匂いについては、少なからず発生します。 ただ、焙煎度の違いによって、煙の発生量は大きく異なります。
燻った匂いの煙は2ハゼ(チリチリという爆ぜる音)が発生したころから急激に多くなってきます。8段階の焙煎度のうち、2ハゼ初期で煎り止めるシティローストくらいまでなら煙はさほど発生しません。
逆にフレンチローストやイタリアンローストくらいの深煎りにしようと思うと煙は多く発生します。どうしても煙が出るのが嫌だという場合は、中深煎りくらいで我慢しておきましょう。
余談ですが私も家の中で焙煎していますが、焙煎した後もちゃんと部屋を換気をしていれば豆の匂いは長く残りません。むしろ保存している豆からのほうが匂いは強いです。
鼻が慣れてしまっただけ・・・ということはないと思いますが、まあそれならそれでいいんじゃないでしょうか。
チャフ
中見出しの「環境」のところでも触れましたが、焙煎してると、皮のようなものが舞います。カセットコンロの下に燃えにくい素材のシートを敷くなどして、掃除しやすい対策を取りましょう。
ちなみに前述のアルミホイルで覆っていると、チャフがこぼれにくいです。 ただ、慣れるまではアルミで覆わず豆の色を見ながら焙煎したほうが分かりやすいので、最初のうちは仕方ありませんが、頑張って掃除です。
その他安全面
当たり前のことですが、周りには燃えやすいものは置かないようにするということです。特に焙煎中には火の粉が少し舞うことがあります(とはいえ大したものではありませんが)ので、広いスペースを確保して、できれば燃えない素材のマットを敷いて行うと掃除も楽で良いと思います。
また火災報知器がある家庭では、その近くで焙煎するのはやめておきましょう。
まとめ
長々と書いてきましたが,ほんとに失敗してもいいからとりあえずやってみて、なところが大きいと思います。
安全面には十分注意の上でですが、やっているとこうしたほうがやりやすいとか、こうするほうがうまくいくとか自然に考えるようになります。環境や器具が違うので百人百様(とまではいかないにいろ)の焙煎方法があると思っています。
このインスタントの時代、深い趣味を持つというのは重要なことだと思います。
まだまだ私も焙煎素人ですが、ハマるとすごく楽しいので、興味のある方はぜひこの機会にコーヒー豆の手網焙煎を始めてみましょう。